ハルジオン
Erigeron philadelphicus L.
キク科 合弁花 多年草
分布 関東・中部地方
高さ 30〜80cm
花の時期 3〜4k

茎は、地面から放射状にのびた葉(ロゼット)の中心から垂直にのびる。葉や茎には柔らかな白い毛がたくさん生えていて、白っぽく見える。花がつぼみのときは花をつけた茎が下を向く。花が開くときになると、茎はピンと上を向く。花はピンクまたは、白である。

道ばたの草地や、ツクシの出る川の土手、通学途中にあるような空き地などに生える。サクラが咲くころから「葉ザクラ」になるころにかけて花が咲いて、よく目立つ。東京を中心に多く見られ、分布を広げていると思われるが、その範囲はよく分からない。

春に咲くシオン(紫苑)として、牧野富太郎博士によって名前がつけられたが、よく似た植物にヒメジョオンがあり、その名前にひかれて、ハルジオンになってしまった。ハルジオンは北アメリカの原産で、1920年(大正のなかごろ)に日本にやって来た。はじめは、花がきれいなので、庭に植えられた。しかし、そのうちに、庭から逃げ出し、野生化して、帰化植物となった。1925年(昭和のはじめ)ごろ、東京の小石川植物園を中心に広がっているのが観察された。若芽をゆでて、水でさらして、おひたしなどにして食べられる。おし花にすると、花が紫色になる。ほかの植物のおし葉と混ぜて、額ぶちに入れ、かざりものにする。ヒメジョオンは同じ帰化植物で、明治時代直前に日本にやって来た。花がハルジオンが終わってから咲き出す。帰化植物のヒメムカシヨモギは、茎が2m近くに成長し、花が小さい。食用になり、アメリカでは、下痢の薬とする。アレチノギク、オオアレチノギク、ヘラバヒメジョオンなども帰化植物である。