センニンソウ
Clematis terniflora DC.
キンポウゲ科 離弁花 つる性多年草
分布 日本全国
高さ 4m
花の時期 7〜9月
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地面に近いつるは、木のように固くなり、冬も枯れずに残る。つるは小葉に分かれた柄の長い葉をつける。小葉は長さ3〜5cmくらい。葉の長い柄でほかの木などにからみつく。花は直径2〜3cmで、花びらのように見える4枚のがく片が十文字になっている。花びらはない。よい香りがあり、真んなかにたくさんの雄しべと、雌しべが集まっている。
日当たりのよい道ばたのやぶやフェンスにからむ。つるの先に一面に白い花が咲くので、すぐに見つかる。似たなかまがあるが、小葉のふちに鋸歯のない点が目印。
秋、種子が熟すときに、子房の先が長くのびるので、白髪をした老人の頭のように見える。それで、仙人草という。鉢植えにしたり、庭に植えられる。アメリカでは、庭の植物となった。日本では、手に入りやすいので、園芸植物のクレマチスを育てる台木とする。
有毒植物で、茎や葉の汁が皮ふにつくと水ぶくれ(水腫)をおこす。葉をつぶして川に流し、魚をとる魚毒とする。成長した葉を人がまちがって食べれば、激しい下痢をおこすという。また、薬用にもなり、中国産のシナセンニンソウの代用として、腰の痛み止めに、葉を煎じて飲む。民間では、生の葉を扁桃腺炎の薬にするという。東北地方では、作物が不作のときに、毒成分の少ない若葉を煮て、よく水でさらして毒をぬいてから、炒めて食べた。毒の効果が弱くなる酢漬けにもした。花が大きいカザグルマやテッセンは、園芸植物として、たくさんの品種がある。コバノボタンズルやボタンズルは、野山に多く、葉に切れこみがあり区別される。ハンショウズルやミヤマハンショウズルは、釣り鐘のような花をつける。
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