館長あいさつ
林 良博

この4月より、林良博前館長より館長職を引き継ぎました篠田謙一です。私自身、18年間にわたって科学博物館人類研究部に在職していましたので、まったくの新任というわけではありませんが、勤務地も筑波から上野に変わり、新たな気持ちで館長職に取り組む所存です。よろしくお願い致します。

国立科学博物館は2001年に独立行政法人となり、本年3月で4期の中期目標期間を終了しました。この間、年間の来館者も当初の3倍近くになり、日本で最も多くの入館者を受け入れる博物館施設のひとつに成長しました。これは歴代館長の指導と博物館職員の努力によって成し遂げられたものですが、昨年来の新型コロナウィルス感染症流行の影響は甚大で、これまでの戦略は大きな変更を迫られることになりました。この一年は、従来とは変わった学習支援事業や情報発信の手段を模索する試みが続いています。

人類の歴史の中で、幾度となく大きな疫病の流行が私たちの社会を襲いました。その場に遭遇した人々にとっては、それは紛れもない生存の危機でしたが、後の時代に振り返ると社会の在り方を大きく変える転機になったことも分かっています。私たちは今ここにある危機を、よりよい未来を創造する転機にすべく努力をしなければなりません。科博も、しばらくは新たな博物館の在り方を模索しながら進むことになります。より一層の努力をしてまいりますので、今後の活動に注目していただければと思います。


独立行政法人 国立科学博物館長
篠田 謙一