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第591号

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  科博メールマガジン第591号

    発行日:2014年9月4日

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 気温の高い日が戻ってきていますが、夏とは違うカラッとした空気に清々し

さを感じます。明日から東京藝術大学では学園祭も始まり、上野界隈もいよい

よ秋本番といった雰囲気です。

 さて、先週からメールマガジン特製デスクトップ壁紙の9月分のページを公

開しています。今回は日本館3階にある、さわれる展示としておなじみの「石

英(煙水晶)」です。ぜひご利用ください!

 

 

 ※ 科博メールマガジンは、国立科学博物館が毎週木曜日に発行しています。

 ※ このメールマガジンは等幅フォントでご覧ください。

 

▼- 目 次 -▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼

 

 ■ エッセイ       「たかがコンニャク、されどコンニャク再び」

 ■ 筑波実験植物園だより 「ショクダイオオコンニャク 開花までの栽培

               ストーリー」

 ■ お知らせ

 ■ 壁紙プレゼント(9月カレンダー付き)

 

 

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◆ エッセイ ◆

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 たかがコンニャク、されどコンニャク再び

 

 

                         植物研究部 岩科 司

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 2012年5月に、1日になんと5千人以上の入園者が押し寄せ、筑波実験

植物園の横を走る東大通りに渋滞を引き起こした地球上で最大の花(花序)、

「ショクダイオオコンニャク」が今年の7月3日に、この前の開花からなんと

わずか2年で再び開花した。しかも前と同じく週末に。ショクダイオオコンニャ

クも、多くの方に見てもらおうと、咲くタイミングを見計らっていたのだろう

か。

 

 予想通り、今回も1日に5千人以上の方々にご来園いただいた。園長でもあ

る私は前回、「普通なら最短でも7年、長ければ20年は咲かないから、皆さ

ん頑張ってね」と言って、職員に急遽休日出勤してもらった。しかし、その時

のメンバーがほとんど全員在職している今年、再び開花し、結果として私は大

ウソをついた事になった。

 

 今回のショクダイオオコンニャクの大きさは、ギネスブックの記録の高さに

わずか数センチ届かなかったが、これまで日本で咲いた10例のうちで最大、

すなわち日本一の大きさとなった。しかし、この調子で開花すると、次は20

16年の開花?まてよ、それではまだ私は在職しているではないか!園長職6

年で3回の開花を見ることになる。もう「最短でも7年は咲かないから頑張っ

てね」とはいえない。それならせっかくだから、ギネスブックの記録更新を目

指すか!

 

 

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◆ 筑波実験植物園だより ◆

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 ショクダイオオコンニャク 開花までの栽培ストーリー

 

 

                      筑波実験植物園 鈴木 和浩

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 今年の7月3日、世界最大の花「ショクダイオオコンニャク」が2年ぶりに

開花しました。花の高さは272cmと日本新記録となりました。

 

 日本一となった理由や、短期間で開花した理由をよく聞かれますが、1つは

鉢の選択があると考えています。ショクダイオオコンニャクのような大きい植

物に合う市販の鉢はなく、浄化槽用の巨大な水槽を利用することで、イモをよ

り大きく育てられるのではないかと考えました。実際に2年でイモの重さは3

4kgから70kgと2倍になりました。

 

 さらに重要なのが水管理と植え替えです。イモが休眠中は水を控え、目覚め

て新芽が動き出したと同時に、植え替えを行いました。イモはきれいに洗って

消毒し、天敵である線虫を防ぐ薬を土に混ぜました。70kgもの巨大なイモの

植え替えは、使う土の量も約1.2tと多いため大変で、大人数での作業。鉢

に菌が入るのを防ぐため、スタッフの長靴まで殺菌しました。その後は、晴れ

た日にはたっぷり水をやり、梅雨の時期はイモが腐らないよう水を控えるなど、

植物と天気の状況を見ながら水管理をしてきました。

 

 花芽だとわかってから開花するまでの2週間も、美しい花を咲かせるために

神経を使う日々でした。植物管理は日頃の観察が重要で、なめくじが這った痕

などにも注意し、くさったり食害のないよう、水管理や病害虫の駆除など細部

にまで気を配ってきました。開花したときには、感動よりも何よりも、無事に

開花できたことにホッとしたものです。

 

 筑波実験植物園は、研究施設でもあり、植物が主役の植物園でもあります。

お客さんに楽しんでもらえるよう、植物をスターにするための栽培スタッフが

います。今回のショクダイオオコンニャク開花の背景にも、皆さんの知らない

栽培スタッフたちの日々のストーリーがありました。

 

 

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◆ お知らせ ◆

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企画展  <予告>

「ヨシモトコレクションの世界〜W.T.ヨシモト氏の人生の軌跡を探る〜」

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 大型哺乳類の剥製およそ400点からなる「ヨシモトコレクション」。このコ

レクションを築いた「ヨシモトさん」とはいかなる人物なのでしょう。没後10

年にあたって、W.T.ヨシモト氏の生涯と、コレクションを構築した経緯につい

て氏の残した標本や資料を紹介するとともに、国立科学博物館によるコレク

ションの調査研究成果をあわせて展示します。

 

[開催期間]平成26年10月15日(水)〜平成27年1月18日(日)

[会  場]国立科学博物館 日本館1階 中央ホール、企画展示室

[料  金]常設展示入館料のみ

 

 詳細は下記をご覧ください。

 http://www.kahaku.go.jp/event/2014/10yoshimoto/

 

 

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朝日地球環境フォーラム2014 親子セッション  <参加者募集>

国立科学博物館こども研究室〜学ぼう!生きものの進化と多様性〜

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 「朝日地球環境フォーラム2014」(主催:朝日新聞社)において、小学生と

保護者を対象にトークイベントを行います。

 

[開 催 日]平成26年10月1日(水)

[内  容]「進化のひみつ〜ガラパゴス諸島と日本」

      動物研究部 研究主幹 濱尾章二

[時  間]午前の部 10:00〜11:00/午後の部 14:00〜15:00

[定  員]各回200人(事前申込、先着順)

[締  切]9月5日(金)

 

 プログラム詳細やお申込みは、下記オフィシャルサイトよりお願いします。

 http://www.asahi.com/eco/forum

 

 

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研究者によるディスカバリートーク  <ご案内>

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 ディスカバリートークとは、土・日・祝日に科博の研究者が交代で、展示物

についての話や研究者自身の研究内容、身近な科学の話題などについて、時に

は展示室をご案内しながら、来館される皆様に直接語りかけるイベントです。

 

[テ ー マ]菌類が起こす木の病気

[日  時]平成26年9月6日(土)11:00〜11:30、13:00〜13:30

      (2回とも同じ内容です)

[会  場]地球館3階講義室

[講  師]植物研究部 細矢 剛

[定  員]50名(当日先着順受付。受付は始まる15分前からです)

 

[テ ー マ]火山の話

[日  時]平成26年9月6日(土)12:00〜12:30、14:00〜14:30

      (2回とも同じ内容です)

[会  場]地球館3階講義室

[講  師]地学研究部 佐野 貴司

[定  員]50名(当日先着順受付。受付は始まる15分前からです)

 

 詳しくは下記をご覧ください。

 http://www.kahaku.go.jp/event/all.php?date=20140906

 

 

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特別展「太古の哺乳類展−日本の化石でたどる進化と絶滅−」

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 本展は、約1億2000万年前から1万年前まで日本に生息し、今は絶滅して見

ることのできない数々の哺乳類を多角的に紹介する展覧会です。おとな(オス・

メス)とこどもの全身復元骨格3体を“家族”と見立てたナウマンゾウや、日

本で発掘され世界的に有名となったパレオパラドキシアの化石標本など、貴重

な標本約170点を展示し、哺乳類の進化と絶滅をわかりやすく紹介します。子

供から大人まで一緒に楽しみながら学べる必見のイベントです!

 

[開催期間]平成26年7月12日(土)〜10月5日(日)

 

 詳しくは下記をご覧ください。

 http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2014/honyu-rui/

 

 

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「第7回〜技術の歴史を未来に生かす〜未来技術遺産登録パネル展」

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 科博では、平成20年度から重要科学技術史資料(愛称:未来技術遺産)の登

録を実施しています。今年度はあらたに、電子カメラ・マビカ試作機、フジカ

ラー写ルンです、カメラ付き携帯電話など、49件を登録することとなりました。

 登録資料のパネル展示を下記のとおり開催します。なお、9月2日〜7日は、

一部実物資料も展示を行います。展示をご覧になりながら、ぜひ大人の方から

お子様へ、世界で一番輝いていた日本の技術をお話しいただければと思います。

 

[開催期間]平成26年9月2日(火)〜28日(日)

      ※一部実物資料展示は9月2日(火)〜7日(日)のみ

 

 詳しくは下記をご覧ください。

 http://sts.kahaku.go.jp/event/2014/ft_panel7/

 

 

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産業技術史講座  <参加者募集>

「銀塩カラー印画紙の技術の歴史 〜鮮やかな色!何時までも〜」

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 津波でも消えなかったカラープリント。デジカメからの写真もきれいに残す

銀塩カラープリントペーパー(印画紙)のお話しです。印画紙には、発色だけ

でなく画像の耐久性についても長い技術開発の歴史があります。先の大津波で

流された印画紙が消えずに画を残して人々の思い出をつないだことは記憶に新

しいところです。速く・安く・美しく・丈夫に・デジカメも…、人々の思いに

応えて発展し続けてきた印画紙の技術開発のお話しです。

 

[日  時]平成26年9月27日(土)14:00〜16:00

 

 申込方法等、詳しくは下記をご覧ください。 

 http://www.kahaku.go.jp/event/all.php?date=20140927

 

 

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Friday Night Science 大学生のための科学技術史講座

「日本の科学技術」  <参加者募集>

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 「日本の科学技術」をテーマに、各分野の研究者6人がそれぞれの専門領域

について講義をします。ぜひ、当館のホームページ、チラシをご覧いただき、

受講をご検討ください。皆様からのご応募、心よりお待ちしております。

 

[開催期間]平成26年10月〜12月

      (10月3日、10月17日、11月7日、11月21日、12月5日、

       12月19日各金曜日の18:00〜19:30に実施)

 

 カリキュラム内容、申込方法等、詳細は下記をご覧ください。

 http://www.kahaku.go.jp/learning/university/partnership/09.html

 

 

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日本学術会議公開シンポジウム  <ご案内>

「自然史標本の継承−人類の財産を失わないために今なすべきこと−」

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 東北地方の博物館等施設に保管されていた自然史標本が東日本大震災で被災

したことを教訓に、学術会議は「自然史標本の文化財化分科会」を設置し、自

然史標本の公的位置づけについて2年間に渡って論議してきました。その成果

に加えて、そもそも自然史標本とはどのようなものなのか、その種類、研究上

の位置づけ、社会的意義等々の重要性を社会に知ってもらうことを目的とした

公開シンポジウムです。

 

[日  時]平成26年9月19日(金)13:00〜18:00

 

 詳しくは下記をご覧ください。

 http://www.scj.go.jp/ja/event/pdf2/197-s-2-1.pdf

 

 

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雑誌milsil(ミルシル)通巻41号と定期購読について

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 今回の特集は「地磁気」です。一度は見てみたいと誰もが思う幻想的なオー

ロラは、実はこの地磁気がかかわる自然現象ですが、普段、私たちが地磁気に

ついて考えることは滅多にないのではないでしょうか?地球の歴史(46億年)

のかなり早い時期からあったのに、20世紀中頃になってようやく、その仕組み

がわかってきたということは、それほど奥深いものだということです。地球の

歴史を刻み、過去を知り、未来までも映す地磁気は、今後私たちが考えていか

なければならない分野になることでしょう。そして、太陽風から地球生命を守っ

てくれている地磁気は、私たちにとって、なくてはならないものであることな

どが、わかりやすく解説されています。

 

 発行日 :平成26年9月1日(月)

 定 価 :420円(税込)

 

 定期購読やお得な会員制度など詳細については下記をご覧ください。

 http://www.kahaku.go.jp/userguide/book/milsil/index.html

 (友の会)http://www.kahaku.go.jp/userguide/repeater/index.html

 

 

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科博のイベント情報紙「kahaku event」10−11月号発行!

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 情報紙「kahaku event」(年6回 A4サイズ 6ページ)は、展覧会や開

催予定のイベントなどについてご紹介しています。国立科学博物館の各施設内

で無料で配布している他、下記ページからもダウンロードすることができます。

ご来館や、イベント参加の計画をたてる際などにご活用ください。

(「友の会会員」「賛助会員(個人特別会員)」の方には郵送でお届けします。)

 

 http://www.kahaku.go.jp/event/kahakuevent/index.html

 

※kahaku event8-9月号の内容訂正のお知らせ

○9月24日(水)筑波実験植物園は附属自然教育園と共に<休園>です。

 (HPのデータは修正されています)

 

 

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 科博に関する思い出、展示の感想など皆様からのメールをお待ちしておりま

す。(ご感想などについては、このメールマガジンにて紹介させていただくこ

とがあります。なお、お名前は公表しません。)

 

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 ◆編  集:国立科学博物館 事業推進部 広報・常設展示課

 ◆発  行:国立科学博物館

       東京都台東区上野公園7−20

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