第496号
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科博メールマガジン第496号
発行日:2012年11月22日
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当館では、標本や資料などのコレクションを収蔵する施設「自然史標本棟」
が今年の4月、茨城県のつくば市に完成しました。上野本館には、約1万4千
点の標本資料を展示していますが、実は筑波研究施設にある自然史標本棟など
の収蔵庫には、約400万点のコレクションが保管されています。博物館にとっ
て、標本や資料を後世に引き継ぐことはとても重要な役割ですが、このような
博物館のバックヤードをみなさまにお見せする機会は今まであまりありません
でした。そこで、今後は標本資料の収集・保管の様子を広く知って頂くために、
筑波実験植物園へ来園された方を対象にして、今月の13日から標本室の一部を
見学できるスペースの公開を始めました。クジラやゾウなどの大型骨格標本を
中心にずらりと並んだ収蔵の様子を、ガラス越しではありますが間近に見るこ
とができますので、ぜひお越し頂ければと思います。
※ 科博メールマガジンは、国立科学博物館が毎週木曜日に発行しています。
※ このメールマガジンは等幅フォントでご覧ください。
▼- 目 次 -▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼
■ エッセイ 「オール・シースター・キャスト」
■ 常設展示紹介 「巨大なダイオウイカ」
■ お知らせ
■ 壁紙プレゼント(11月カレンダー付き)
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◆ エッセイ ◆
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オール・シースター・キャスト
動物研究部 藤田 敏彦
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皆さんご存じのヒトデ。海底に生息している動物の代表選手の一つです。人
の手のように、5本の腕をもっています。ヒトデは漢字で書くと海星。英語で
はシースター。どちらも海にすむ星の形をした動物を示しています。
そんなよく知られているヒトデですが、世界には2000種を超えるヒトデがい
ます。みな星の形かと思いきや、まんじゅうの形、小さな玉の形、光ゆらめく
お日様の形と、形は様々。大きさもピンからキリまで。大きな種では差し渡し
1.5メートルにもなります。腕の数も多くの種では5本ですが、中には何十本
もの腕をもつヒトデもいます。
展示室で、私が行っているディスカバリートークでは、「オール・シースタ
ー・キャスト」と題して、そんな多様なヒトデの姿の一端を、標本をご覧頂き
ながら紹介しています。
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◆ 常設展示紹介 ◆
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巨大なダイオウイカ
事業推進部 福井 彰
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地球館1階の「サイズへの挑戦」コーナーには無脊椎動物で最大級の生物
「ダイオウイカ」を展示しています。ダイオウイカは北欧神話の海の怪物「ク
ラーケン」のモデルと考えられるなど、長らく謎の生物として伝えられてきま
した。ジュール・ヴェルヌの冒険小説『海底二万マイル』では、アリストテレ
スによる巨大イカの話や巨大イカに遭遇し捕獲しようとして失敗した19世紀の
話が出てきます。また、ハリウッド俳優のトム・ハンクスが来日している折、
突然お忍びで地球館のダイオウイカの展示を見に来たこともありました。今も
昔もダイオウイカは巨大生物として世界的な興味の対象といえるでしょう。
展示しているダイオウイカは1996年12月24日に鳥取県の羽合海岸に打ち上げ
られたもので、胴部が171cm、鰭の後端から8本ある腕の先端までが約450cmあ
ります。残念ながら、ダイオウイカの特徴となる長い2本の触腕は海岸に漂着
した時に失われていましたが、触腕があれば恐らく全長10mを超えたかもしれ
ません。また、白っぽく見えるのは防腐処理のためにホルマリンで固定しアル
コール保存しているため体表の色素が消えてしまっているからです。
その他、地球館1階「海の食物連鎖」コーナーにはダイオウイカの全身模型
が天井からつるされています。同じフロアの大型イカのソデイカや中型イカの
スルメイカと大きさを比較すると、いかにダイオウイカが大きいかわかること
でしょう。
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◆ お知らせ ◆
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ワークショップ「絶滅危惧種と生物多様性情報」 <ご案内>
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地球規模生物多様性情報機構(GBIF)は3億件を超える生物多様性情報をイ
ンターネットによって世界に提供しています。国内でも生物多様性情報に関す
る活動が進んでいます。今回のワークショップでは、絶滅危惧種を含む生物多
様性情報データベースの課題について検討します。どなたでも参加できますの
で、多くの方々のご来場をお待ちしています。
[日 時]2012年12月15日(土)13:00〜17:00
[会 場]国立科学博物館 上野本館 講堂
[参 加 料]無料
[対 象]どなたでもご参加いただけます。
[共 催]国立科学博物館 東京大学大学院総合文化研究科 国立遺伝学研究所
[応募締切]12月11日(火)
※申込方法や講演内容の問い合わせについては、下記詳細をご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/research/symposium/bd2012.html
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植物アート展:筑波実験植物園
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生き物の不思議な形。そんな形を生かした様々なアートとその元となった生
き物を展示します。講演会では、植物プランクトンのような小さな生き物が、
なぜ芸術的な形をしているのか、どのようにして作られていくのかについて紹
介します。アートを通して生き物の美しさを再発見しませんか?
[開催期間]平成24年12月22日(土)〜平成25年1月14日(月・祝)
詳しくは下記をご覧下さい。
http://www.tbg.kahaku.go.jp/event/2012/12art/index.html
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特別展「チョコレート展」
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本展では、チョコレートの原料であるカカオ豆の小さな一粒を通じて、カカ
オを育む自然の恵み、チョコレートを発明した人類の智慧と工夫、そして、世
界のつながりなどを約200点の展示物を通して明らかにします。
カカオの木の展示や、カカオ豆になった気分で体験できるチョコレートの製
造工場コーナー、また、チョコレートの起源であるマヤ・アステカ文明の展示
品など、様々な展示を通して、知っているようで知らないチョコレートの魅力
をお楽しみいただけます。
[開催期間]平成24年11月3日(土・祝)〜平成25年2月24日(日)
詳しくは下記をご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2012/choco/
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企画展 日本鳥学会100周年記念
「鳥類の多様性〜日本の鳥類研究の歴史と成果〜」
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今年2012年は日本鳥学会が創設されてちょうど100年目となります。これを記
念して、日本の鳥類研究の歴史と最新の成果を、日本と世界の多種多様な鳥の
標本とともにご覧いただきます。さらに、最新の鳥の分類とDNAバーコーディン
グ、繁殖・渡り・採食の生態研究の最新の成果を通じて、鳥学の魅力をお伝え
します。環境保全のリード役となっているコウノトリやトキなどの保全プロジェ
クトについてもご紹介します。
[開催期間]平成24年10月6日(土)〜平成24年12月9日(日)
詳細は下記をご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/event/2012/10bird/index.html
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鳥クイズ&スタンプラリー2012
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本クイズ&スタンプラリーは、鳥類に関する展示をめぐることで、さまざま
な角度から鳥類について学ぶことができます。ラリーの達成者にはオリジナル
記念品をご用意しており、さらに特別賞品が当たるダブルチャンスもございま
す。ぜひこの機会にラリーに参加して、鳥類に対する理解を深めませんか?
[実施期間]平成24年9月1日(土)〜12月9日(日)
※参加方法・賞品等詳細は、下記のホームページをご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/event/2012/bird/index.html
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「国立科学博物館サイエンスコミュニケータ養成講座」受講生によるイベント
<参加者募集>
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■サイエンスカフェ 「ミクロな化石で地球のヒミツを探れ!!」
海の底に眠る小さな化石が語り出す地球の大きなものがたり
さぁ キミも博士と一緒に調査の旅に出かけよう!
[開催日時]平成24年12月15日(土)10:30〜12:00(10:00受付開始)
[申込締切]平成24年11月30日(金)17:00
詳しくはこちらをご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/learning/university/partnership/2012/sccafe1.html
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■サイエンスカフェ
「ふりかえれば寄生虫(ヤツ)がいる。寄生虫を正しく怖がる方法」
寄生虫と聞くだけで、何だろう?でも何かおっかない…。そんな印象をお持
ちではないでしょうか。じつはあまり目にしないだけで、すでに寄生虫はあな
たの生活に潜んでいるかもしれません。でも、そもそも「寄生」とは?今回は
そんな寄生虫の世界を正しく知り、これからどのように向き合うかを考えたい
と思います。
みなさんにとっての答えを一緒に探してみませんか?
[開催日時]平成24年12月15日(土)13:30〜15:00(13:00受付開始)
[申込締切]平成24年11月30日(金)20:00
詳しくはこちらをご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/learning/university/partnership/2012/sccafe2.html
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公開シンポジウム「きのこの未来」 <ご案内>
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秋のきのこシーズンもまもなく終わりますが、きのこ好きの方には、耳寄り
な話題です。鳥取大学グローバルCOEと共催で、公開シンポジウム「きのこの未
来」を開催します。きのこの基礎から応用まで幅広い専門家たちが、大集合!
きのこ研究の面白さを語ります。当館の保坂健太郎研究員も講演します。事前
申し込みは不要ですので、ぜひご参加ください。
[日 時]2012年11月23日(金・祝)13:10〜16:00
※講演内容や問い合わせ先については、下記詳細をご覧ください。
http://rendai.muses.tottori-u.ac.jp/Japanese_data/gcoe/files/kahaku.pdf
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ホットニュース最新号をアップしました!
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ホットニュースの最新号「東日本大震災 標本レスキュー活動の続報」をHP
公開しました。東日本大震災で被災した博物館等の施設から標本を救い出し復
元する「標本レスキュー」は、継続して行われています。当館職員も、様々な
分野の標本レスキュー活動について、近状の一部を報告します。
最新号ページはこちら↓
http://www.kahaku.go.jp/userguide/hotnews/index.php
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雑誌milsil(ミルシル)通巻30号と定期購読について
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今回の特集は「卵」です。卵というと、日頃食用とする鶏の卵がすぐ思い浮
かびますが、milsilでは、ワクチンや抗体まで広がっている卵の利用方法や、
繁殖のために様々な機能を備え、進化を遂げてきた卵に秘められた生き残り戦
略を見てみます。また、鳥類は恐竜の進化と言われるゆえんが卵からもわかり
ます。卵の色や形にそれぞれ意味と役割があることに驚かされます。その他、
ウナギの卵のありかを探る最新の研究や、家庭でできる卵を使った実験や料理
も紹介します。
ちなみに、科博で12月9日まで開催する企画展「鳥類の多様性」では約120種
類もの卵を見ることができます。普段何気なく食べている卵の奥深さに触れ、
生命の神秘を感じていただけたなら幸いです。
発行日 :平成24年11月1日(木)
定 価 :400円(税込)
定期購読やお得な会員制度など詳細については下記をご覧下さい。
http://www.kahaku.go.jp/userguide/book/milsil/index.html
(友の会)http://www.kahaku.go.jp/userguide/repeater/index.html
(賛助会員)http://www.kahaku.go.jp/userguide/support/index.html
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祝!ノーベル生理学・医学賞受賞
山中 伸弥氏へのインタビュー記事(milsil、2008年3号)のホームページ
掲載について
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当館が発行するmilsil(ミルシル)の連載「サイエンスインタビュー 科学
のいま、そして未来」の2008年3号(2008年5月1日発行)においてノーベル
生理学・医学賞受賞の山中伸弥先生(京都大学iPS細胞研究所所長・教授)を
取り上げました。今回、山中先生のノーベル賞受賞のニュースを受け当館では、
多くの方にこの記事を読んで頂きたいと思いホームページに掲載致します。
http://www.kahaku.go.jp/userguide/book/milsil/index.html
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科博のイベント情報紙「kahaku event」12−1月号発行!
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12−1月号では、展覧会情報や12−1月開催予定のイベントを紹介して
います。
情報紙「kahaku event」(年6回 A4サイズ 6ページ)は、展示や学習
支援活動などの情報を掲載しています。国立科学博物館の施設内等で無料で配
布しています。見学やイベント参加の計画をたてる際にご活用ください。
(「友の会会員」「賛助会員(個人特別会員)」の方には郵送でお届けします。)
詳しくは下記をご覧下さい。
http://www.kahaku.go.jp/news/kahakuevent/index.html
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♪::☆::メールマガジン特製壁紙(11月カレンダー付き)プレゼント::☆::♪
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ご好評につき、「国立科学博物館特製11月カレンダー付きデスクトップ壁紙」
をプレゼントいたします。
(2012年11月30日までダウンロードできます。)
詳細はこちらです。↓
http://www.kahaku.go.jp/news/2012/kabegami11/index.html
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す。(ご感想などについては、このメールマガジンにて紹介させていただくこ
とがあります。なお、お名前は公表しません。)
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◆発 行:国立科学博物館
東京都台東区上野公園7−20
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