第435号
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科博メールマガジン第435号
発行日:2011年9月29日
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当館では、今月の23日から企画展「化学者展」を開催しています。本展では、
明治から昭和初期にかけて日本の近代化学、さらに日本の学術研究体制を築き
上げた4人の化学者たちの軌跡をたどっており、研究の成果のみならず日本の
化学の発展のために身を捧げた姿や、化学に対するひたむきなまでの情熱を浮
き彫りにしています。
展示室には、櫻井錠二が18才でロンドン大学に留学した最初の年に化学の学
年末試験で受賞した金メダル(1877年)や、鈴木梅太郎の研究室で最初に結晶
化されたオリザニン(ビタミンB1)など、大変貴重な資料や標本が展示されて
いますので、ぜひご覧頂きたいと思います。
さて、今号からメールマガジン特製壁紙プレゼントの10月分がダウンロード
できます。今回は、化学に関する展示の画像をお届けしていますのでぜひチェ
ックしてみて下さい。
※ 科博メールマガジンは、国立科学博物館が毎週木曜日に発行しています。
※ このメールマガジンは等幅フォントでご覧ください。
▼- 目 次 -▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼-▼
■ エッセイ 「新宿分館から筑波へ」
■ 常設展示紹介 「オートモ号のお出かけ」
■ 上野の鳥 「鳥と恐竜の関係は? 恐竜展2011」
■ お知らせ
■ 壁紙プレゼント(10月カレンダー付き)
■ 他館紹介(チケットプレゼント)
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◆ エッセイ ◆
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新宿分館から筑波へ
地学研究部 植村 和彦
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いつの間にか研究部の現役最古参になってしまった。自然史の研究部門が拡
充され、手狭になった上野本館から現在の新宿地区に分館が新設された直後か
ら、私の研究部人生が始まった。新宿分館は来年3月で40年の歴史を閉じる。
新宿分館から筑波へ、標本資料の大規模な移動はこれまで経験がない。担当
の植物化石には、花粉化石のプレパラートから1トン近い材化石まで、標本の
扱いや大きさの異なるものを含む。化石を含む母岩は、一般に石としては軽い。
しかし、大小3万点の資料を扱うとなると重く、腰をかばいながらの作業を続
けている。
植物園の生きた植物に囲まれ、押し葉標本や植物の専門家と接することがで
きる環境は私にとって理想的だ。新宿分館がスタートしたときは、新しい“入
れ物”に研究部の人たちも活気に満ち溢れていた。同じことが筑波地区で始ま
り、さらに飛躍することを願っている。
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◆ 常設展示紹介 ◆
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オートモ号のお出かけ
事業推進部 田邊 玲奈
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地球館2階「自動車産業のあけぼの」コーナーでは、オートモ号(1925年式
・復元)を展示しています。オートモ号は、日本ではじめて量産された国産乗
用車で、大正末から昭和初めにかけて約300台販売されました。しかし、残念な
がら現存車がありませんでした。当館とトヨタ博物館が共同で調査を行い、平
成11年に復元したものを展示しています。
今回、オートモ号をトヨタ博物館に貸し出しました。(トヨタ博物館企画展
「大正自動車物語」[2011年10月8日(土)〜2012年1月9日(月・祝)]に
て展示されます。)休館日に半日以上かけて、パワーリフト等で少しずつ少し
ずつ持ち上げ、展示台から下ろし、当館の資料を運搬する専用の大型エレベー
タで外まで運び、トラックに積み込む作業はとても慎重に行われました。積み
込みが無事に終わると本当にほっとしました!貸し出しと合わせて、このオー
トモ号、実は整備も行ってもらいます。
オートモ号がお出かけしてしまいましたので、代わりに、普段は公開してい
ないダットエンジンを展示しました。快進社創業100周年記念展(2011年6月28
日(火)〜7月24日(日)国立科学博物館)にも展示していましたので、逃し
た方はぜひこの機会にご覧ください。
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◆ 上野の鳥 ◆
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鳥と恐竜の関係は? 恐竜展2011
文京区役所 渡辺 浩(友の会会員)
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先日、国立科学博物館で開催されている特別展「恐竜博2011」(10月2
日まで開催)に行って来ました。この特別展のメインは「ティラノサウルス×
トリケラトプス 恐竜2大スターの共演!!」だと思いますが、個人的には始祖
鳥や羽毛恐竜の化石、恐竜の全身の色が世界で初めてわかったアンキオルニス
の方に興味がありました。
最新の研究成果によって、鳥の祖先は小型の獣脚類(2本足で歩く肉食恐竜)
であることがほぼ確定したようです。現在、最も広く採用されている恐竜の定
義は「トリケラトプスとスズメと、彼らの直近の共通祖先とそのすべての子孫」
というものです。この定義では、鳥は恐竜に含まれています。逆に始祖鳥は、
鳥から離れて恐竜に近づいていくように感じました。その理由は、鳥と異なり
後肢の親指が前を向いて生えていることや、翼の強度不足でパラシュート的な
滑空しかできなかったらしいこと等です。
国立科学博物館の外に出ると、恐竜の末裔である鳥たちが多く見られます。
先祖である恐竜(獣脚類)のイメージに最も近いのは、上野動物園で飼育され
ているダチョウではないかと思います。スズメやハシブトガラス、ドバト等は、
恐竜には似ていないように見えるかも知れません。しかし、全身骨格を比較し
てみると、その類似に驚かれると思います(全身骨格にすると、鳥の体の中に
隠れている後肢や首の骨が見えるようになります。このため、生きているとき
よりも後肢や首が長く見えます)。羽毛恐竜の中でも先にあげたアンキオルニ
スは、名前の意味が「ほとんど鳥」というだけあって、復元図には鳥のような
翼やとさかがあります。私には恐竜よりも鳥に近いように見えました。
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◆ お知らせ ◆
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10月までの開館時間等に関するお知らせ
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10月までの開館・開園時間等は以下のとおりとなります。
http://www.kahaku.go.jp/news/2011/info09/index.html
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特別展「恐竜博2011」※まもなく会期終了です
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「恐竜博2011」では、恐竜の中で最も人気のある2大スター、ティラノ
サウルスとトリケラトプスの競演をはじめ、最近5年間の恐竜研究の最重要点
を紹介します。まだ知られていない恐竜の真の姿をご覧いただける絶対に見逃
せない恐竜博です。
[開催期間]平成23年7月2日(土)〜10月2日(日)
詳しくは下記をご覧下さい。
http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/ueno/special/2011/dinosaur/index.html
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「恐竜博2011」で展示されているティラノサウルス&トリケラトプスの全身
復元骨格の組立作業の様子をご覧頂けます。
http://www.kahaku.go.jp/news/2011/dinosaur/index.html
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企画展「化学者展 ―ニッポンの近代化学の夜明け―」
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幕末のころ西洋の化学を導入し始めた日本の化学研究。その日本の化学研究
が世界トップクラスにまで急速に進歩した背景には、先人たちのたゆまぬ努力
がありました。本企画展では、明治から昭和初期にかけて日本の近代化学、さ
らに日本の学術研究体制を築き上げた、桜井錠二、池田菊苗、鈴木梅太郎、真
島利行の4人の化学者の軌跡をたどります。
[開催期間] 平成23年9月23日(金・祝)〜12月11日(日)
詳しくは下記をご覧下さい。
http://www.kahaku.go.jp/event/2011/09chemistry/
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かはくでカガク反応!シリーズ!2011
「世界化学年クイズ&スタンプラリー」
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2011年は「世界化学年」。この「世界化学年」にあわせ、当館では「かはく
でカガク反応!シリーズ2011」と題して、化学に関する展示を多数開催いたし
ます。そこで、これらの展示を対象とした「世界化学年クイズ&スタンプラリ
ー」を実施します。クイズ&スタンプラリーの参加者には達成度に応じてオリ
ジナル記念品のプレゼントもございます。ぜひこの機会にクイズ&スタンプラ
リーに参加して、「化学」についての理解を深めませんか?
[実施期間] 平成23年9月23日(金・祝)〜12月27日(火)
※クイズ&スタンプラリー対象展示、景品交換等についての詳細は、下記を
ご覧ください。
http://www.kahaku.go.jp/event/2011/chemistry/
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企画展「化学者展―ニッポンの近代化学の夜明け―」講演会<参加者募集!>
(上野の山文化ゾーンフェスティバル 講演会シリーズ)
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企画展「化学者展」講演会
「科博所蔵資料から眺める日本の近代化学事始め
―日本人はこんなにがんばっていた―」
[日 時] 平成23年10月23日(日)14:00〜15:30
申込み方法等詳細は下記をご覧ください。
「上野の山文化ゾーンフェスティバル 講演会シリーズ参加申込み」
http://www.city.taito.lg.jp/index/bunka_kanko/torikumi/uenonoyama/koenkai.html
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科博NEWS展示「東日本大震災被災標本のレスキュー活動」
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東日本大震災で被災した博物館等の標本について、国立科学博物館の研究者
は、被害にあった様々な分野の標本についてレスキュー活動を行っています。
今回の科博NEWS展示では、現地でのレスキュー活動や、標本を受け入れてか
らの洗浄・修復の作業など、解説パネル、実物標本を用いて紹介します。
[会 期] 平成23年6月28日(火)〜12月27日(火)までを予定
詳しくはこちらのページをご覧下さい↓
http://www.kahaku.go.jp/event/2011/06rescue/index.html
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スタッフブログの開始について:附属自然教育園
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当園では、9月から園のホームページにおいて、スタッフブログを開始しま
した。園の動植物、自然、催し物などについて、さらに園内外の話題について、
掲載していきます。
週に一度以上は更新する予定です。ぜひご覧ください。
http://www.ins.kahaku.go.jp/
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ホットニュース最新号をアップしました!
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ホットニュースの最新号『「東日本大震災被災標本レスキュー活動」− 藻
類標本の救出』をHP公開しました。
今回のホットニュースは、NEWS展示「東日本大震災被災標本レスキュー活動」
で紹介中の内容で、特に藻類の標本レスキューについて、植物研究部の北山太
樹研究主幹が担当した活動について詳しく紹介します。現地での活動や、標本
を当館に受け入れてからの洗浄・修復の作業など、実際の標本レスキューにつ
いて詳細を報告します。
↓最新号ページはこちら
http://www.kahaku.go.jp/userguide/hotnews/index.php
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雑誌milsil(ミルシル)通巻23号と定期購読について
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今号の特集テーマは「気象予測の科学−天気はどこまで予測できるのか?」
です。なかなか気づきにくいですが、気象予測は、技術の発達によって進化し
てきています。また、気象ビジネスや気候変動予測も幅広く行われるようにな
ってきました。今回は、そんな気象予測のいまをお伝えするとともに、身近な
お話として、天気の変わり目に見られる雲を紹介します。
発行日 :平成23年9月1日(木)
定 価 :400円(税込)
定期購読やお得な会員制度など詳細については下記をご覧下さい。
http://www.kahaku.go.jp/userguide/book/milsil/index.html
(友の会)http://www.kahaku.go.jp/userguide/repeater/index.html
(賛助会員)http://www.kahaku.go.jp/userguide/support/index.html
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科博のイベント情報紙「kahaku event」10−11月号発行!
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10−11月号では、現在開催中の展覧会情報や10−11月開催予定のイ
ベントを紹介しています。
情報紙「kahaku event」(年6回 A4サイズ 6ページ)は、展示や学習
支援活動などの情報を掲載しています。国立科学博物館の施設内等で無料で配
布しています。見学やイベント参加の計画をたてる際にご活用ください。
(「友の会会員」「賛助会員(個人特別会員)」の方には郵送でお届けします。)
詳しくは下記をご覧下さい。
http://www.kahaku.go.jp/news/2011/kahakuevent10/index.html
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◆ 他館紹介 ◆
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全国科学博物館協議会加盟館の特別展示等をご紹介します。
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■郡山市ふれあい科学館 スペースパーク
ホワイエ企画展「月の世界」
9月1日〜10月30日
http://www.space-park.jp/events/foyer/2011/0901/index.html
■群馬県立自然史博物館
開館15周年記念企画展「よみがえる!謎の巨大恐竜スピノサウルス」
7月16日〜11月20日
http://www.gmnh.pref.gunma.jp/view/servlet/PublicEvent?event_id=144
■ミュージアムパーク茨城県自然博物館
科博コラボ・ミュージアムin茨城
第53回企画展「恐竜発掘−過去からよみがえる巨大動物−」
10月8日〜平成24年1月9日
http://www.nat.pref.ibaraki.jp/t/k/53/index.html
■千葉県立中央博物館
秋の展示「砂のふしぎ」
10月1日〜12月4日
http://www.chiba-muse.or.jp/NATURAL/exhibitions/special_ex/2011sands/index.htm
■逓信総合博物館 ていぱーく
特別展「昭和レトロと郵便展〜切手少年がいた時代〜」
9月17日〜12月18日
http://www.teipark.jp/event/event.html#2
■トヨタ博物館
企画展「大正100年記念 大正自動車ものがたり」
10月8日〜平成24年1月9日
http://www.toyota.co.jp/Museum/data/h179_1.html
■出雲科学館
くらしの中のコンピュータ〜テレビゲームの気になる中身〜
10月8日〜11月13日
http://www.izumo.ed.jp/kagaku/news/11computer/11computer.html
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★ メール募集中 ★
科博に関する思い出、展示の感想など皆様からのメールをお待ちしておりま
す。(ご感想などについては、このメールマガジンにて紹介させていただくこ
とがあります。なお、お名前は公表しません。)
宛先: magazine@kahaku.go.jp
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◆編集:国立科学博物館 事業推進部 広報・サービス課
◆発行:国立科学博物館
東京都台東区上野公園7−20
◆お問合せ:magazine@kahaku.go.jp
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