2012-10-02

東日本大震災 標本レスキュー活動の続報


陸前高田市立博物館で被災したホルマリン液浸標本の整理作業

 動物分野 標本レスキュー活動    8月21日〜24日
 陸前高田市立博物館で被災したホルマリン液浸標本の整理作業  
 担当:松浦研究調整役

 陸前高田市立博物館で被災した魚類などの液浸標本について、保存液の交換、標本ビンの移し替え、ラベル情報の確認などを行い、標本情報をデータベース化しました。このレスキュー活動は国立科学博物館、岩手県立博物館、北海道大学総合博物館、岩手県水産技術センターおよび日本魚類学会の5機関の協力によって行われました。また、岩手大学の学生有志も参加しました。

 陸前高田市立博物館から搬出された標本(200本)は岩手県立博に保管されていました。今回のレスキュー活動によって、魚類50件、甲殻類など海産無脊椎動物約20件、菌類約50件の標本整理を行いました。ラベル情報のない残りの標本は岩手県博に保管して、標本の今後の扱いは地元の判断にゆだねることにしました。

 地域の博物館が身近な生物の標本を保存しておくことは、その地域に生息する生物を知るために重要です。今回の活動によって貴重な標本が博物館、大学、水産研究機関、そして学会の連携によって救出された意義は大きいです。