2012-10-02

東日本大震災 標本レスキュー活動の続報


陸前高田市海と貝のミュージアム「ツチクジラ剥製標本」の修復

 


 動物分野 標本レスキュー活動


 陸前高田市海と貝のミュージアム「ツチクジラ剥製標本」の修復
 担当:山田脊椎動物研究グループ長

 大津波の直撃を受けた、陸前高田市の海と貝のミュージアムにおいて目玉展示であったツチクジラの剥製標本は、たっぷり海水を含んでしまっており、現地での応急処置を施した後、茨城県の国立科博物館筑波研究施設の自然史標本棟に移送されました。
 標本の燻蒸の後、筑波地区にて強制乾燥を行ったツチクジラ剥製標本について、本格的な修復作業を行いました。
まず、樹脂コートFRPガラスクロス剥離、表皮カビの処理の作業が行われました。製作当初の本来の姿と海と貝のミュージアム新設オープンの目玉展示としての姿を対比できるよう、標本の左側面は剥製のテクスチャなどが見える状態に、右側側面はコーティングを残した状態とすることが決定しました。表皮養生で標本表皮補修作業を終え、ひとまずの修復作業が終了しました。
 このツチクジラは科博の収蔵庫で再び地元に戻るのを待っています。