2016-01-21

新たに入手した、スメタナ・コレクション(コウチュウ目ハネカクシ科)


スメタナ・コレクションとは何か?

写真[左]:日本産ハネカクシの一種、コクシヒゲハネカクシ(山梨県産)、[右]:アレッシュ・スメタナ博士(2014年12月、オタワの自宅前にて)


はじめに

 国立科学博物館では、2014年12月に、カナダのアレッシュ・スメタナ博士が所蔵していた世界的に貴重なハネカクシ類のコレクションを購入し、オタワのご自宅から、筑波研究施設の動物研究部へ移管しました。スメタナ・コレクションの重要性、内容および購入の経緯について記録をかねてご紹介いたします。


スメタナ・コレクションとは何か?

 スメタナ・コレクションは、現在、カナダのオタワ市に在住しているアレッシュ・スメタナ博士が、生涯をかけて収集したハネカクシ類のコレクションです。ハネカクシ類は、昆虫の中でも最も種数の多い甲虫の仲間で、世界から1科、約3,600属、約58,000種が記録されています。ハネカクシ類は、体型が細長く、多くの種では前翅(鞘翅:さやばね)が短くなっています(写真[左])。陸上のあらゆる環境に生息し、特に海岸に打ち上げられた海草の中や、森林の落ち葉の中、キノコの表面などに多く見られます。
 スメタナ博士(写真[右])は、カナダ農務省生物資源部門に長く勤めていて、主にハネカクシ科ツヤムネハネカクシ類の分類学的研究を専攻していました。長年にわたり、世界中を旅してハネカクシ類の標本を収集し、多数の新種を命名しました。一方では、ジュネーブのイヴァン・レーブル博士と共著で、『旧北区産甲虫類カタログ第1〜8巻』を出版しました。スメタナ博士は、その名前に示されるとおり、19世紀チェコの偉大な作曲家であったベドジフ・スメタナ氏の子孫であり、また当館の名誉研究員である上野俊一博士とも古くから親交があります。