2014-12-15

世界一大きい「花」、ショクダイオオコンニャクが開花


なぜこんなに大きく進化したの?

ショクダイオオコンニャクの花粉を運ぶアカモンオオモモブトシデムシ。スマトラ島クリンチ山麓で(写真:山口進)

 お客様からいちばん多かった質問です。難問ですが、花粉を運ぶ動物が原因かもしれません。
 ショクダイオオコンニャクの花粉を運んで受粉するのは、腐った肉を食べる甲虫、シデムシの仲間です。ひるがえって世界中の30 cmを超える巨大な花を咲かせる植物に注目すると、甲虫かハエの仲間が花粉の運び手になっていることで共通しています。たとえば種によっては花の直径が1 mにもなるラフレシア(ラフレシア科)や、紐のような花弁が垂れ下がる熱帯アメリカのウマノスズクサ属(ウマノスズクサ科)はハエが受粉しますし、アマゾンのオオオニバス(スイレン科)は甲虫のコガネムシが花粉を運びます。
 なぜこれらのハエや甲虫にとって、巨大な花は魅力があるのでしょう?大きな動物の死体そっくりで食料や産卵場所に見えるから?花の内側の大きな空間が、閉ざされたスペースに集まって交尾する習性にぴったりだから?花の体積が大きいほうが発熱した花が冷めにくいので、集まりやすいから?これらの昆虫の行動と関係するいくつかの理由がありそうです。
 ラフレシアでは、進化の道のりで花粉の運び手が他の昆虫からハエに変わるとともに、花のサイズが急に大きくなり始めたことが分かっています。コンニャクの場合、より大きい花からより多く種子ができるかといったことさえ分かっていないので、まだはっきりしたことは言えませんが、「シデムシが巨大な花を生んだ」仮説を検証する価値は大いにありそうです。