2014-07-16

「発見する眼」を次の世代へ −標本図の技術を伝える筑波実験植物園の取り組み


より正確に,より多くの人に −標本図の過去,現在,未来

 サイエンティフィック・イラストレーションの歴史は,情報をより正確に,より多くの人に伝える歴史です。これは科学の根幹に関わるテーマでもあります。またそこには,印刷技術や情報科学の発達とも交錯する深く大きな世界がひろがっています。3月の筑波実験植物園の企画展は,植物標本図の意義と歴史を解き明かすはじめての展示として,全国の博物館,美術館の学芸員の方々からも高い評価をいただきました。
 会場では標本図講座を受講された方たちの卒業作品も展示しました。標本図の歴史を代表する500年にわたる作品のかずかずと同じ空間を共にしたことは,標本図の技術が未来につながることを力強く宣言するものです。受講者の中から次の時代のサイエンティフィック・イラストレーションを担う人材が育つことを願ってやみません。
 これらの講座,展示は,植物標本図作家の中島睦子氏のご尽力なくしては実現できませんでした。心からお礼申し上げます。












上:展示した標本図のひとつ。日本の標本図の技術を世界に知らしめた牧野富太郎のホテイランの図(『大日本植物志第1巻第4集』より, 1911年) 下:筑波実験植物園で開催した講座「科学のための植物標本図を描く」のようす


〈執筆・監修〉
 国立科学博物館 植物研究部 多様性解析・保全グループ グループ長 遊川 知久

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