2014-07-16

「発見する眼」を次の世代へ −標本図の技術を伝える筑波実験植物園の取り組み


はじめに

左:新種の発表に使った標本図のひとつ。描かれた植物は,筑波実験植物園の研究グループが発表したラン科のシテンクモキリ(作図:中島睦子) 右:3月に筑波実験植物園で開催した展示「発見する眼−ランでみるサイエンティフィック・イラストレーション」のようす


 印刷や情報技術の発達によって,世界中の植物のかたちや色がすぐさまわかる時代になりました。こんな時代になぜ押し葉標本を観察し,モノクロームの点と線だけで植物を描く必要があるのでしょうか。残念なことに,日本では標本図を体系的に紹介する機会がなかったため,その意義や技術はほとんど知られていません。そして技術の継承もあやうい状況にあります。
 科学の基盤をしっかり支えていくことは,博物館・植物園のたいせつな役わりです。筑波実験植物園では,標本から生物のかたちを記録する標本図の技術を次の世代に伝える取り組みを進めています。2012年から「科学のための植物標本図を描く」と題した講座をおこなうとともに,さる3月のつくば蘭展では,企画展示「発見する眼−ランでみるサイエンティフィック・イラストレーション」を開催しました。