2013-11-28

小笠原に新火山島が誕生?


今回はどのような噴火?



























図3.2013年11月の噴火地点(赤丸)と山頂カルデラ火口の推定(火口縁を橙色の点線で示した)。地質図(海野・中野、2007)に加筆。






 今回噴火が確認された「西之島の東南500m地点」とはどのような場所でしょうか?実は、ここは西之島火山の噴火の中心部です。火山体の大部分は海面下にあるものの、西之島火山のサイズは底面の直径が20〜30km程、比高3000m以上と見積もられています。これは富士山に匹敵する巨大な成層火山です。海底地形を観察すると、西之島旧島は直径1kmを超える山頂カルデラの火口縁であり、西之島新島はその火口内に形成された火口丘の一部であることがわかります(図3)。現在噴火を行っている地点は山頂カルデラ内部であり、西之島火山を形成したマグマの多くが噴出した場所です。

 11月21日時点で火口丘が海上へ頭を出し、中心部の火口からマグマが噴出しています。火口の地形から判断すると、地下のマグマ溜まりから火口に続くマグマの通り道(火道とよばれます)がしっかりとできていることが推定されます。このため、マグマ溜まり中のマグマが枯渇するまでしばらく噴火が続くと予想されます。