2012-07-10

国内初のナキウサギ類の新種化石発見!


復元する! ---- どんな生き物だったのだろう?

 
 
 今回の発見から、復元画が作成されています(上の画を参照;冨田先生監修、イラストレータ 中上野氏、瑞浪市化石博物館提供)。このような復元想像画があることで、昔生きていたであろう生き物をとても想像しやすくなります。このような復元想像画を描く上で、どのような注意が必要なのかを冨田先生に伺いました。

質問その1! 復元するときに気をつけることはどんなことでしょうか?

冨田先生:すでに絶滅してしまっている動物ですから、現在の動物の中でいちばん近いものや、同じ絶滅した動物でもより完全な化石を元に復元された動物などを参考に全体の姿を考えます。


質問その2! 今回の復元想像図で特徴的な点はどこでしょうか?

冨田先生:下顎の大きさからは、現在のナキウサギより大きくて体長30〜35センチ位と推定しています。またその形態は、現在のナキウサギとウサギ類の両方の特徴を少しずつ持っているので,その外形をそれらの中間のようなイメージで描いてもらいました。


質問その3! このような復元画のばあい、専門的に絵を描かれる方がいらっしゃるのでしょうか?

冨田先生:復元画は古生物復元画家の中上野 太さんが描かれました。私が監修を行いました。
しかし、今回のように下顎しか見つかっていない動物の復元はほとんど不可能で、体や耳の形などはずいぶん想像をたくましくして描いてもらいました。この意味で、今回のは復元想像図という方が当たっているでしょう。


 今回の発見のトピックスをきっかけに、哺乳類化石に興味を持った方。展示などでじっくり標本を見てみることを是非おすすめします。太古の生きていた時を想像できるでしょうか。


監修・協力  国立科学博物館 地学研究部 冨田幸光 グループ長