2009-05-15

目が離せない恐竜発掘・研究事情(協力:地学研究部 冨田幸光,真鍋真)


国産恐竜,発見続く

 先ずは2008年2月。群馬県の神流町で,ティタノサウルス形類に分類される竜脚類の歯が見つかりました。
 ティタノサウルス形類には大小さまざまな竜脚類が含まれます。2006年に発見され,現在も発掘が続く兵庫県丹波市の「タンバリュウ」もティタノサウルス形類です。
 神流町ではこれまでにも獣脚類の骨や歯が見つかっていましたが,植物食恐竜が発見されたのは初めてのことでした。

 福井県勝山市北谷では,福井県立恐竜博物館などが中心となって発掘調査が続けられています。2008年度の調査では,イグアノドン類の幼体の上顎と下顎が発見されました。過去に見つかっているイグアノドン類のフクイサウルスとの関係はまだわかりませんが,幼体の発見は恐竜の成長を研究する上で非常に重要です。

 また,2007年度の調査で発掘されていた,化石を含む約50センチ四方の岩石をクリーニングしたところ,ドロマエオサウルス類(※3)と思われる小型獣脚類の上顎が見つかりました。4本の歯が顎についたままで保存されており,ほぼ完全な状態と言って良いものでした。歯が残された獣脚類化石の発見は,国内では初めてのことです。
 クリーニングは現在も続けられており,同じ獣脚類の一部と考えられる大腿骨や頸椎,脳幹(頭蓋骨のうち,脳が収まっていた部分)など,全身のおよそ60%にあたる,160点もの骨がこれまでに見つかっています。
新種である可能性も高く,今年度中には全身の復元が行われる予定です。

 「タンバリュウ」発掘現場でも,今年に入って新たな発見がありました。「タンバリュウ」のものと思われる歯の発見です。
 生え始める前のものと思われる真新しい歯から,使われて斜めに磨り減った歯まで,合わせて6本が見つかりました。状況の異なる複数の歯の発見は,未だ見つかっていない「タンバリュウ」の頭骨の形の推定の助けになります。
他の恐竜のものと思われる歯も同じ場所で見つかっており,当時の環境をより詳しく推定できるようにもなりそうです。

※3 ドロマエオサウルス類には,地球館地下1階に展示されているデイノニクスやバンビラプトル,さらにヴェロキラプトルやミクロラプトルなどが含まれます。後肢に大きな鉤状の爪を持っていることが共通の特徴です。羽毛を持ったものも見つかっており,デイノニクスは恐竜温血説が広く知られるようになったきっかけとなった恐竜でもあります(詳しくは地球館地下1階の展示映像をご覧下さい)。


図:文中に紹介した化石の発見地(赤・!)。
  青点はその他の国産恐竜化石産出地(2007年度以前の発見)。