2008-02-01

火山国日本−新たな予報・警報はじまる− (協力:地学研究部 佐野貴司)


火山噴火予知と災害への備え

 ひとくちに火山,噴火と言っても,その様相,もたらされる災害は大きく異なります。全ての火山の噴火を事前に,正確に予知することは容易なことではありません。
 しかし比較的短い周期で噴火を繰り返している幾つかの火山では,複数回の噴火の観測によって,噴火の前に現れやすい特徴をある程度掴むことに成功しています。

 例えば北海道,有珠山は,平均して約30年に1回噴火していますが,毎回噴火する3日〜10日程度前から局地的な地震が頻繁に発生することが知られていました。
 2000年3月下旬,有珠山周辺で火山性地震(※4)が観測され,その回数が日を追って増えて行くようになりました。これを噴火の前兆だとして警戒を呼び掛け,住民に避難の指示を出したところ,果たして最初の火山性地震の観測から僅か6日後,23年ぶりとなる噴火が発生したのです。

 現在各地の火山に対し,過去の噴火の研究に加え,火山性地震の観測や同じくマグマの上昇のヒントになる可能性のある地温の観測,またマグマが接近して火山の山体自体を押し上げていないかどうかを確認するため,GPS(精度の良いカーナビ)や傾斜計を使って火山の山体の大きさの変化を測定するなど,継続的な監視が行なわれています。
 また,万一の噴火の際に危険が及ぶ可能性のある地域と起こる可能性のある災害をまとめたハザードマップが作成され,各火山周辺の住民に配布,及びインターネットを通じて全国に公開されています。

※4 火山付近の地下を震源として発生する地震で,震源の深さが10km以下(マグマだまりのできやすい深さとおおよそ一致します)と浅いことが特徴です。マグマや火山ガスの移動などが原因とされ,火山の噴火を予知する重要な手がかりのひとつといわれています。


(研究推進課 西村美里)