2007-12-15

遅くなった紅葉 (協力:附属自然教育園 萩原信介)


生物季節観測

 ここで取り上げた紅葉日調査のように,植物や動物の様子が季節に伴って変化していく様子についての観測を「生物季節観測」といいます。
 気象庁によって全国およそ90ヶ所で実施され,気象が生物に及ぼしている影響や,季節の進み・遅れ,また各地の気候の違いなどを知ることができます。

 植物気象現象では紅葉のほかに開葉や開花,満開,また落葉の日にちを見ます。一方動物では鳥や昆虫を初めて見た日,同じく鳥や昆虫の鳴き声を初めて聞いた日も使われます。
 対象となる動植物は,ふたつの基準で選定されます。ひとつは,日本全国に分布しており,全国どこでも同じように観測が可能な動植物で,これらを「規定種目」と呼びます。そしてもうひとつは,地域それぞれで特徴ある生物を,各地の気象台が独自に選定したもので「選択種目」と呼ばれます。規定種目は植物ではウメ・ツバキ・タンポポ・サクラ・ヤマツツジ・ノダフジ・ヤマハギ・アジサイ・サルスベリ・ススキ・イチョウ・カエデ,動物ではヒバリ・ウグイス・ツバメ・モンシロチョウ・キアゲハ・トノサマガエル・シオカラトンボ・ホタル・アブラゼミ・ヒグラシ・モズで合計23種類です。
 例えばサクラでは紅葉と同様温暖化の影響を受けていると思われ,2005年までの50年で開花日が,大都市平均では6.1日,中小規模都市では2.8日早くなったことが判っています。

 長年に渡り続けられてきた生物季節観測ですが,近年人員削減等の関係で廃止される観測点が増えてきました。これまで蓄積されたデータが途切れてしまうことはとても残念なことです。


写真:国立科学博物館附属自然教育園のイロハモミジ。