ヤンバルクイナ

ヤンバルクイナは沖縄島で1981年に発見された飛べないクイナで、日本の鳥類では実に60年ぶりの新種発見であった。ヤンバルクイナの分布は、沖縄島北部の山原(やんばる)と呼ばれる地域の森林だけに限られている。これは、同地域にも生息する飛ぶクイナであるシロハラクイナの生息域が熱帯アジア全域に広がっているのと対照的である。飛べないクイナは世界に20種知られていたが、すべてネコ科などの捕食者のいない島にのみ分布する。これらのクイナの半数の種が、おもに人間が持ち込んだ移入動物によってすでに絶滅してしまった。沖縄でもマングースが近年山原にまで分布を広げており、ここ数年ヤンバルクイナの個体数の減少が著しいといわれている。

 

 

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