大顔展に関連して
ウマはなぜ馬面かウマの顔は、馬面といわれるだけあって、文句なしに長いようです。ネコの顔は丸いですが、イヌの顔は長いのも丸いのもあります。なぜでしょう。 ウマは、長距離を速く走るために脚が長いのです。そして、立ったまま地面の草を食べるので、顔と頚の長さの合計は前脚より長くなくてはいけません。しかし、頚だけをきわめて長くすると頚に負担がかかります。そこで、口の近くを伸ばして顔を長くすれば、その分だけ頚が短くできますので、頚の負担が減ります。口の近くが細長くなれば好きな草だけを選ぶにも便利ですし、顔全体が長くなれば草をよく噛むための臼歯も大きくなれます。 ネコは、短距離ダッシュして獲物を捕らえ、噴みついて殺します。そのためには、顔も頚も長い必要はなく、太く丈夫でなければなりません。特に、側頭筋という筋肉がよく発達して、顔の幅が広くなっています。だから、ネコは丸顔なのです。 イヌは、ネコとは違った方法で狩りをします。地面に残った臭いをかぎながら攫物を追跡するのです。そのためには、鼻先が地面の近くに届かなくてはなりません。だから、コリーやボルゾイのように脚の長いイヌは顔が長く、ブルドックやパグのように脚の短いイヌは顔も短いのです。 例外として、脚が短く顔の長いイヌはダックスフントです。ウサギの穴に潜り込ませるために品種改良した結果です。しかし、丸顔で脚の長いイヌはいません。そんなイヌを無理に作ったら、かわいそうです。 (人類研究部 馬場悠男)
左からウマ、ネコ、イヌ(イラスト 石井礼子)
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