日本人の原像:縄文人
骨が語る縄文人の生きざま(2)
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骨が語る縄文人の生きざま(2)

発掘された人骨を詳しく調べることによって、その人の生前の暮らしぶりや生活習慣、健康状態、どのように亡くなったのかなどがわかります。茨城県の若海貝塚から見つかった縄文時代中期(3700年前〜3800年前の間)の男性人骨を例に見てみましょう。

若海貝塚縄文人

この男性は、大柄で身長は170cmもありました。左のスネには骨折の治った痕があります。右の膝はひどい関節炎でした。この人は、正式の墓穴の中に埋葬されたのではなく、貝塚にうつぶせの状態で埋められていました。しかも膝を曲げて、足がお尻のほうに折りたたまれていました。足がしばられていたのでしょうか。このような埋葬の仕方は、世界各地の例をみると、罪人に対してよくおこなわれています。でも、この人物が実際に罪人だったかどうかはわかりません。

埋葬状態

  1. 手足の骨を見ると筋肉が強く発達していたことがわかります。狩猟のため野山を駆けめぐったり、激しい漁労に適した頑丈な身体つきであったといえるでしょう。
  2. 椎骨の骨棘の張り出し程度、頭蓋の縫合や歯のすり減り具合など、いろいろな骨にみられる骨の老化現象から、この人物は30歳代後半から40歳前後に死亡したことがわかります。縄文人の多くは成人しても、30歳代後半には亡くなってしまうのがふつうです。この人物も縄文人としては天寿をまっとうしたといえるでしょう。
  3. 歯を見ると、どの歯もひどい虫歯になっているのがわかります。歯槽が化膿し抜けかかった歯もあります。治療法のなかった時代ですから、ひどい虫歯になっても放置しておく以外しようがなかったのでしょう。縄文時代では、この人のようにたくさんの虫歯があるのは珍しく、普通は一人あたり2〜3本です。
  4. 骨盤の内側が全体の大きさの割に狭いことから、この人物が男性であることがわかります。
  5. 身長は、大腿骨の長さから推定すると170cmもあります。縄文人男性の平均身長は158cmほどです。この人物の身長は、縄文人の中でもひときわ高いことがわかります。
  6. 骨折が治るまでは、左脚をかばって歩いたために、右脚に無理な負荷がかかっていたのでしょう。右の膝関節には、関節炎による骨増殖の痕が見られます。
  7. 脛骨に見られるこの膨らみは、斜めに骨折したところがくっついて治った痕です。隣り合う腓骨には骨折の痕はありません。このような状態は、現代人ではスキーで生じる骨折と似ています。脚を無理にひねったために骨折が起きたのでしょう。
     
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