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発掘された人骨を詳しく調べることによって、その人の生前の暮らしぶりや生活習慣、健康状態、どのように亡くなったのかなどがわかります。埼玉県の妙音寺洞穴から見つかった縄文時代早期(およそ9000年前)の男性人骨を例に見てみましょう。
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妙音寺洞穴人骨
9000〜8000年前
妙音寺遺跡出土
埼玉県埋蔵文化財センター蔵
- 右の側頭部に二重円形の陥没骨折があります。その部分の側頭骨の一部は失われています。どこか他の場所で、傷を受けて、亡くなり、ここまで運ばれ、埋葬されたのでしょうか。
- 下顎骨の筋突起が前方に拡大しています。かむ力が強かったことでしょう。
- 歯が急速にすりへったために、歯髄腔が露出し、歯槽骨まで化膿した跡があちこちに残っています。
- 歯が著しくすり減っているだけでなく、下顎の歯だけ斜めにすり減っているのは、歯を道具として使用した証拠です。
- 上腕骨には橈骨の関節頭による圧痕があり、習慣的に肘関節を強く曲げていたことがわかります。いつも、背負った荷物を肩越しにおさえていたのかもしれません。あるいは、はいつくばって獲物に忍び寄っていたのでしょうか。
- この大腿骨は後ろ向きにしてあります。膝を伸ばす大腿四頭筋の付着する粗線が高く鋭く隆起しています。これは縄文人によく見られる特徴ですが、この妙音寺人骨のような縄文時代早期の人骨では特に目立ちます。
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この人骨は、埼玉県皆野町の妙音寺洞穴で発見された縄文時代早期の人骨です。この人は壮年の男性であり、推定身長153cmと小柄ですが、膝を伸ばす筋肉の付着部はよく発達しているので、足腰は丈夫だったことでしょう。顔は小さく端正です。一見すると細面ですが、噛む筋肉の付着部(特に下顎骨筋突起)がよく発達しています。右の側頭部には、直径10cmほどの二重円形の割れ目があり、大きな石がぶつかって陥没骨折を起こし、即死したと思われます。他殺の可能性も高いでしょう。歯は著しく減っており、下顎骨の歯根の周辺には、化膿した病巣の痕がたくさん見られます。
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妙音寺 |
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