この図は、現代人のミトコンドリアDNAの系統樹です。アフリカ人どうしを結ぶ枝が長いことは、アフリカ人の間でDNAの違いが大きいことを示しています。DNAは、突然変異によって世代ごとに一定の割合で変化していくので、このことからアフリカ人の集団が他の集団より古くから存在していたと推定できます。ここまでの結果は、「アフリカ単一起源説」とも「多地域進化説」とも合います。 さらに、ヒトとチンパンジーが約500万年前に分かれたと仮定して、現代人の共通祖先の年代を推定すると、約20万年前となります。ところが、「多地域進化説」によると、現代人の祖先である原人は100万年以上前にアフリカを出て互いに分かれたはずですから、この結果は「多地域進化説」とは合いません。この結果こそ「アフリカ単一起源説」が支持されるポイントなのです。
Ingman et al. (2000) Nature, 408を改編