
新人の起原をめぐっては、学者たちの間で、1980年代末から激しい論争があり、次の二つの説が対立しました。
多地域進化説
100万年以上前にアフリカを旅立った原人たちが、アフリカとユーラシアの各地で、互いに独立性を保ちながら、原人→旧人→新人という段階を踏んで現代人に進化したという仮説です。この仮説には、全ての現代人集団が遺伝的によく似ていることをうまく説明できないという、難点があります。また、新人へ至る進化が世界各地で同じように起こったことを説明するために、近隣の集団の間で限定的な交流があった(図の細い斜線)と仮定していますが、多くの研究者はこの説明に納得していません。

アフリカ単一起源説
現代人の祖先は、10万年前ころにアフリカで誕生した新人であって、この新人が世界各地へ拡散し、原人たちの子孫である旧人とおきかわって、各地の現代人になったという仮説です。現在では基本的に正しいと考えられますが、それでも多くの研究者は、各地に先に住みついていた旧人との間で、ある程度の混血があった可能性は高いと考えて います。

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