−南方熊楠−

幼少より博物学に興味をもち、明治〜大正〜昭和に活躍した博覧強記の人として知られています。アメリカで植物の宝庫のフロリダやキューバなどを探険した後、イギリスに渡り、大英博物館で古今東西の知識を吸収しました。1900年に帰国した後は民俗学的著作を発表しつづけながら、隠花植物と呼ばれていた菌類、地衣類、藻類、蘚苔類などを精力的に採集して研究し、日本における変形菌分類学の基礎を固めました。

hen-008.jpg (16672 バイト)

大正15(1926)年、南方熊楠が選定した90点の標本を、官位のある弟子の小畔四郎が皇太子時代の昭和天皇に献上しました。生物学者の天皇は、それを大切に保管して勉強されたそうです。昭和4(1929)年、民間人としては破格である南方のご進講に結実し、変形菌が南方の名前とともに世間に広く知られ、研究が一気に加速されました。この90点の標本は、日本における変形菌分類学の発展の要となった標本です。


b-back.gif (959 バイト)   b-next.gif (958 バイト)