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ゴミのような鉱物でも大量に分析すれば何かがわかる!

横山 一己
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日本列島のいろいろな地域・時代の砂岩中のモナザイト年代
家庭からでるゴミを調べるとその家の家族構成や家計状況を知る事が出来ます。
自然物の中にも、砂の中の鉱物は、各地から運ばれ、それぞれの粒が起源の異なることが多く、ゴミのような取り扱いがされます。
砂粒の中にはモナザイトと呼ばれる鉱物があります。
モナザイトの年代を調べると、どの地域から砂が供給されたかがわかります。
左図は、日本列島の砂粒の中のモナザイトを数万粒分析して年代分布を示したものです。これらのデータは、大陸の年代分布や現在の河川のモナザイトの年代を比較するとどこからきたかがわかります。
170万年前の火山灰 170万年前の火山灰(Kd38)を追う!

170万年前に中部地方から関東地方にかけて火山灰が降りました。
この火山灰が各地のどこに分布するかは、一般的には歩いて調査をすればわかるような気がしますが、同じような火山灰が多くあると、どの火山灰と同じであるのか特定することができません。
しかし、各地の火山灰をガムシャラに分析するとそれぞれの火山灰の特徴があらわされ、それぞれの地域で170万年前の火山灰を特定することができます。火山灰は、極めて短時間に噴いたもので170万年前の4月27日(?)に噴火したのかもしれません。
とにもかくにも忍耐強く大量に分析しなければ!
砂や火山灰の分析は社会に役に立つはずがない?

日本列島の誕生や大昔の火山灰の対比研究などは、社会の役に立つはずがないと思われていましたが、不思議なことに、いろいろな分析を依頼されることが多くあります。
捜査においてゴミのようなものが付着していた場合、物が何であるのか?場所を特定できるのか?食べ物にゴミが混入していた場合にも同じです。
精密機械に混入した異物は、たとえ小さくとも大きな損害がでます。
微細なものをどこで鑑定してもらうのかよくわからない場合、まず博物館が頼られます。
展示ポスターはこちらから
横山 一己(よこやま かずみ)

横山 一己(よこやま かずみ)

鉱物科学研究グループ

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