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 木の上で生きる植物(着生植物)の進化

堤 千絵
着生植物のイメージ

 植物の中には、他の植物の上(樹上)で生涯をすごす種類がいます。 宿主から養分を奪う寄生植物とは異なり、他の植物から養分を奪うことはなく、ただ場所を借りている植物です。 世界にはたくさんの着生植物が見られ、その数は陸上植物全体の10%以上だといわれています。
 着生植物は、どうやって木の上で生活しているのだろう、どうやって木登りしたのだろう?
この不思議な植物たちに興味をもち、着生植物の進化の研究をはじめました。

着生植物(写真)
着生シダ植物 シノブ科の例
シノブ科
シノブ科は、良く切れ込んだ葉、長く這う茎、茎を覆う鱗片が特徴。大部分が生涯を樹上ですごす全着生植物。 このシノブ科がどうやって木登りしたかを研究しています。

1.着生シダ植物シノブ科はどんなシダから進化した?
DNAを比較し系統樹を作成した結果、シノブ科と着生ウラボシ科の先祖はオレアンドラ、 これらはワラビツナギの仲間、タマシダ、ツルキジオノなどとの共通先祖から進化し、 そしてこれらが、地生のオシダ科から進化したと推定された。
シノブ科および近縁シダ種の分子系統樹
2.シノブ科の祖先はどこで生活する?
オレアンドラやタマシダは地上で発芽し樹上へ登り、のちに古い茎が切れ地上から離れても生きられる「半着生植物」、 ワラビツナギやツルキジオノは、地上からはなれては生きられない「つる植物」だった。 地生植物から全着生植物へ
3.着生性の進化
生活タイプとDNAによる系統樹を比較すると、シノブ科は地生からではなく、つる植物から、 あるいはつる植物→半着生植物→全着生植物の順に進化したと推測された。 このよじ登り型進化論はシノブ科の研究から初めて提唱された。
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堤 千絵(つつみ ちえ)

堤 千絵(つつみ ちえ)

植物研究部