動物研究部

魚類

 当館の魚類標本はアジアおよび西部太平洋地域で最も重要なコレクションのひとつです。標本数はコンピュータ登録が完了しているものだけで130万個体に達し、種数は5000を数えます。この中には新種記載に用いられたタイプ標本310種(1130個体)が含まれています。日本産魚類は現在約3900種が知られていますが、当館の魚類コレクションには3300種が保管されています。標本は毎年、国内・国外の多くの研究者に利用されています。また、新種の報告を行う際に多くの研究者がタイプ標本を当館に登録しています。

 当館の魚類標本の中には明治時代(1880年代)に採集されたものやすでに絶滅してしまった種も含まれています。また、コンピュータ登録が終了した標本データに基づいて日本産淡水魚類の分布図が作製されています。この分布図を見ると1960年代以降、移入種であるブラックバスが全国に広がった様子など、日本産淡水魚類の分布の移り変わりが明らかになります。コンピュータ登録が完了した淡水魚標本のデータはインターネット上で公開されています。海水魚のコンピュータ登録も着実に進んでいて、近い将来インターネット上にデータを公開します。

 魚類コレクションは当館の研究者による国内・国外の採集・調査によって毎年増加を続けています。魚類、とりわけ海産魚類には未だに解っていないことが数多くあります。日本周辺からも毎年新種が報告されています。そして、産卵生態や分布が不明な 種も多いのです。 日本および西部太平洋地域の魚類データベースを発展させるため、当館の魚類コレクションをさらに充実させる必要があります。

詳細は魚類データベース[UODAS]をご覧下さい。

魚類標本庫
魚類標本庫:移動棚で効率 よく収納されています

ユキフリソデウオの模式標本
20世紀初頭に記載された新種、ユキフリソデウオの模式標本