植物研究部

微小藻類
 淡水藻類の多くは顕微鏡的な大きさで、自然では多数の種類が混ざって生育します。そのため個体や種類ごとに採集はできないので、野外では何百何千個体が混ざった状態で採集して、20mlの標本瓶に入れ、フォルマリンを加えて固定します。標本瓶は、通し番号をつけて採集記録と対照できるようにして、液浸標本室に専用の箪笥に入れて保管されています。また、これらの液浸標本から作製された永久プレパラート標本や電子顕微鏡観察に用いるためのメンブランフィルター・SEMスタブ・TEMブロックなども標本として保管されています。  微小藻類ではスケッチや写真が標本に準じて扱われることもあるため、標本をスケッチや撮影した原画・写真乾板・フィルム・スライドなども大切に保管しています。

 渡邉眞之氏(元 当館植物研究部長)が採集したヒマラヤのパプア・ニューギニアの標本をはじめとする当館の研究調査活動で採集したジェネラルコレクションの他、奥野春雄・渡辺仁治・平野實・福島博・山岸高旺・水野真氏らの寄贈コレクションを含み、平成30年現在、合計で4万1千点を収蔵しています。

 淡水藻類は顕微鏡的な、小さな生物で、分類形質に乏しいグループを多く含んでいます。種子植物においても花を観察しないと分類や同定ができない場合が多いように、まして栄養体の形態学的特徴に乏しい微小藻類においては生殖細胞の形や生殖方法の観察なしには属レベルの同定すらできないことが多いのです。そのために野外で採集した試料を分離・培養して生活環を継続的に観察をするために植物研究部棟には培養室を設置し、遺伝子解析など様々な方法での研究に備えるために藻株保存室が設けられています。

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液浸標本タンス
液浸標本タンス

藻株保存室
藻株保存室