人類研究部

人類研究部では、ヒトがどのように進化してきたか、その結果として、現在世界中にどのようなヒトが住んでいるか、また、日本人はどのようにして形成されてきたか、といった問題を、おもに生物学的な観点から研究しています。研究体制としては、部長の下に5名の研究員が属する人類史研究グループという組織があり、総勢6名のスタッフで、形態学や遺伝学の分野の様々な研究を行なっています。

 

研究部職員は、調査・研究のみならず、その基となる資料を収集し、標本を管理するという役割も担っています。

 

管理している標本の大部分は日本の縄文時代以降各時代の古人骨であり、内外の研究者に広く利用されています。また、本館展示の更新や特別展の企画立案、さらに児童生徒や学校の教師など、様々な人たちを対象とした学習支援活動も行なっています。



人骨標本の復元・計測などの実際
 その他、他研究部と横断的に取り組んでいる総合研究や特定のテーマに焦点をあてた重点研究をおこなっています。
詳しくは、プロジェクト研究をご覧ください。
人類研究部の現在の研究テーマ
ヒトを含めた霊長類の歯牙の機能形態学的研究:
 ヒトと類人猿の現生および化石種をおもな対象として、大臼歯の形状を3次元的に比較解析する研究を行なっています。
頭蓋の三次元デジタル形状解析研究:
 CT撮影データをもとに、ヒトや類人猿の頭蓋の形状解析を行なっています。
大型類人猿のDNA分析:
 ミトコンドリアDNAの分析によって、大型類人猿の種内の系統や社会構造を研究しています。
アジアの原人化石の研究:
 アジア地域における古人類の進化史について調べるため、インドネシアなどで野外調査と原人化石の形態学的研究を行っています。
日本旧石器時代人骨の研究:
 縄文時代以前に日本列島へ最初にやってきた人々の成り立ちを知るために、沖縄から出土した港川人などの化石人骨を調査しています。
頭蓋形態の時代的変化とその要因の統計学的分析:
 現生人類の地域集団間・時代間の身体形質の変異、特に頭蓋形質の変異・変化が環境適応的であるのか否か、また適応的であるとすればどのような具体的要因によるのかを明らかにしようとして多変量の統計学的分析を行なっています。
古代DNA分析による日本人の起源の解明/アンデス先住民の分子人類学的研究:
 古代人の遺骨に残るDNAを分析して、人類の移動と拡散、集団の成立について研究を進めています。
骨格形態の地理的変異に基づく日本人成立過程の研究:
 先史時代から現代に至る日本人の骨格形態の時代変化パターンを調べて、農耕革命以降の居住環境の劇的な変化が我々の身体形質や健康にどのように影響したかを研究しています。
人骨形態からの年齢推定法の開発と検証/人骨からの個人史復元方法の確立:
 死亡時年齢、身長、性別など白骨から推定できる情報について法医学的・古人類学的な研究を行なっています。

人類研究部の標本
 収蔵資料は各時代・各地域の遺跡から出土した人骨が主体です。 特に日本国内の古人骨を積極的に収集し、整理・保管して、様々な研究を行っています。 国外の人骨に関しては、当該国の研究者との共同調査によって人骨を収集し、原則として当該国の国内で研究しています。 人骨以外に、化石人骨のレプリカや考古資料あるいは指紋の資料などもあります。

人骨資料は、世界中に公開されていて、国内外の研究機関から研究に訪れる人類学者は少なくありません。 同時に、当研究部の研究者もそれらの研究機関の人骨を研究させてもらい、ギブ・アンド・テイクの関係を築いています。

●当館の主な所蔵標本
●最新の研究成果