南の動物プランクトン カニ・エビ類の子供たち


 海岸の磯や砂浜を住処としているカニ類(Brachyura)の多くも、子供の時代を動物プランクトンとして過ごす。卵から孵化した幼生はゾエアと呼ばれ、脱皮を繰り返しメガロパとなり、さらに稚ガニと成長する。ゾエアからメガロパの時期がプランクトン生活期にあたる。プランクトン生活から親と同じ底棲生活に移行する過程は、あまりよく分かっていない。岸から遠く離れた外洋で見つかるカニの子供たちは,どうやって親の住んでいる砂浜や磯までたどり着くのだろう。その他、底棲性のコエビ類(Caridea)やイセエビ類(Palinuroidea)、シャコ類(Hoplocarida)も、その子供の時代を動物プランクトンとして過ごす。
 ここでは、アサヒガニ科(Raninidae)、イワガニ科(Grapsidae)、オウギガニ科(Xanthidae)などカニ類のゾエア、メガロパ幼生のトリッキーな動きや、コエビ類の華やかな姿形、そしてイセエビ類のフイロゾーマ幼生の摩訶不思議な体の構造と、拍動している心臓などご注目ください。

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画像. 採集地点 種名 和名 査定者
15-29.9N, 141-59.9E Raninidae アサヒガニ科のゾエア 武田正倫
15-29.9N, 141-59.9E Grapsidae イワガニ科トゲアシガニ属のメガロパ幼生 武田正倫
14-29.8S, 160.00.1E Grapsidae イワガニ科トゲアシガニ属のメガロパ幼生 武田正倫
12-00.1N, 141-56.8E Grapsidae イワガニ科のメガロパ幼生 武田正倫
14-29.8S, 160-00.1E Grapsidae イワガニ科のメガロパ幼生 武田正倫
14-30.9S, 160-03.4E Grapsidae イワガニ科のメガロパ幼生 武田正倫
15-59.7N, 142-00.1E Xanthidae オウギガニ科メガロパ幼生 武田正倫
26-30.2S, 163-00.3E Xanthidae オウギガニ科メガロパ幼生 武田正倫
28-29.8S, 163-00.2E Pinnotheridae カクレガニ科 武田正倫
12-57.1S, 159-59.2E Galatheidae コシオリエビ科のメガロパ幼生 武田正倫
30-06.3S, 171-58.6E Portunidae ワタリガニ科 武田正倫
28-29.8S, 163-00.2E Portunidae ワタリガニ科のメガロパ幼生 武田正倫
29-27.2S, 163-00.4E
コエビ類の幼生 菊池知彦
29-27.2S, 163-00.4E
コエビ類の幼生 菊池知彦
26-30.2S, 163-00.3E
コエビ類の幼生 菊池知彦
12-57.1S, 159-59.2E
コエビ類の幼生 菊池知彦
12-57.1S, 159-59.2E
コエビ類の幼生 菊池知彦
4-58.2S, 159-58.6E
コエビ類の幼生 菊池知彦
12-33.1N, 142-01.2E Janicella spinicauda Chace 遊泳性のコエビ類 菊池知彦
29-29.8S, 163-00.1E
シャコ類幼生
窪寺恒己
14-03.5S, 160-04.2E
シャコ類幼生 窪寺恒己
14-13.6N, 142-53.6E
フィロゾーマ
イセエビ幼生
窪寺恒己

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