魚類学入門


Database for Aquatic-vertebrate Science

フグ科 Tetraodontidae
世界に20属150種。日本に6属50種。

分布
多くの種が海にすんでいます。インド洋、太平洋、大西洋の温帯と熱帯に分布しています。約20種が東南アジア、アフリカ、南米の淡水域にすんでいます。日本では本州中部以南に分布します。

オキナワフグ


スジモヨウフグ


マフグ

形態
体長40センチ以下の種類が多いのですが、モヨウフグ属やサバフグ属には体長70センチに達する種類もいます。体は円筒形で、腹鰭はありません。背鰭は一つで軟条のみからできています。胃に特殊な弁があり、水や空気を吸い込んで腹を著しく膨らませることができます。
生態
サンゴ礁、岩礁、砂泥底、沖合と生息場所は様々です。100メートル以浅に生息する種類が多いのですが、水深数メートルの所にすんでいる種類もいます。淡水に生息する種類は熱帯域に分布しています。サンゴ礁にすむ種類は群を作りませんが、砂泥底や沖合にすむ種類は大きな群を作ります。トラフグ属の種類は大きな群を作って産卵します。クサフグは初夏に砂浜や砂利浜に押しよせ、波打ちぎわで産卵します。
利用
日本や韓国ではトラフグ属のフグは高級魚として人気があります。肉や精巣は無毒の種類が多いのですが、近似種で肉も内臓も猛毒な場合があり、種の識別には細心の注意を要します。素人が料理することは絶対にやめるべきです。