このデータベースは国立科学博物館に保管されている日本産淡水魚類標本にもとづいて構築されています。保管されている標本は約120万個体に達します。これらの標本の大半は動物第二研究室(魚類研究室)の元室長であった故中村守純博士によって収集されました。日本の河川や湖沼は1960年代から1970年代に乱開発や河川改修によって劇的な変貌を遂げ、淡水魚類の生息環境の多くが破壊され、消滅しました。また、淡水魚が人為的に移動されたり、外来種の導入によって、在来の淡水魚の自然分布が大きな影響を受けました。

当館に保存されている日本産淡水魚類標本の多くは1960年代半ばまでに故中村博士によって収集されました。つまり、日本の淡水魚がまだ豊かな自然環境に生息していた時代に集められたのです。このデータベースを検索することによって研究に必要な標本のデータを調べることができます。また、日本産淡水魚類の往年の分布を知ることができます。

このデータベースを利用するときには次のことに注意して下さい。標本数が120万個体にのぼるため、それを再度同定し直すことは現実的に不可能です。そのため標本の同定は故中村博士とその協力者が行った結果に従っています。したがって、古い学名が使用されている場合もあります。また、中村博士の標本収集は関東地方や東北地方に重点が置かれていたので、四国や九州などの標本数は関東地方のものと比べると少なくなっています。 

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