標本の保存に関する注意



マッコウクジラの胃から採集された頭足類

取り出された顎板の標本瓶
 各消化段階別に分けた肉質部や口球,顎板は,エチルアルコール(70−80%)かイソプロピルアルコール(40−50%)に保存することが望ましい.硬質部である顎板,平衡石に関しても乾燥させずに,アルコール溶液に保存しておいたほうが良い.

 未消化から消化段階2の標本は各々1個体ごとに保存容器に入れる.消化段階3−4のものに関しては,肉質部と取出した上下顎板を一緒にして1個体分ごとに保存容器にいれる.消化段階5−7の顎板に関しては,上下の顎板のペアが確認できるものは上下一緒に,またペアの確認できない顎板に関しては,上顎と下顎に分けて,保存容器に入れておく.いずれの場合も,耐水紙を小さく切ったラベルに胃袋を取出した動物(標本番号),採集日時,採集地点等を鉛筆で記入し,容器に入れておくことを忘れないようにする.

 保存容器は標本の大きさに応じて,各種サイズを用意する.密閉度を考慮して,中蓋か内パッキングのついた容器にするべきである.大型の標本は,ポリエチレン製の20L広口瓶や2L,3Lの透明エンビ製のものが適している.小型の顎板に関しては,6−20mlのガラス製スクリュー管瓶を容量別に数種類そろえるとよい.

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