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ヴィーヘルト式上下動動地震計

 日本各地の気象台・測候所で使われていた小型のヴィーヘルト上下動地震計です。振子の形はユーイング型で、その質量は80kgあります。空気制振器と拡大装置の梃子の仕掛けは水平動のものと同じで、煤をかけた紙が重錘の動力で送られ、そこに軽い描針でもって記録するところも同じです。振子の吊りバネが温度の変化で伸び縮みをして記録針の零点が動くのを防ぐために、鉄と亜鉛の棒を組み合わせたバネ長の温度補償装置がついています。なお、上下動用にも水平動用と同じく大型のヴィーヘルト地震計がありますが、小型のものとは違う原理の振子を使っています。