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ヴィーヘルト式水平動地震計

  20世紀のはじめにドイツのエミル=ヴィーヘルト(1861〜1928)がゲッチンゲン大学で完成した大型の機械式地震計。重い倒立振り子を使い、振子のよけいな動きを抑える空気制振器を備えています。振子の動きを拡大するてこの回転軸にあたる部分には板バネを使い摩擦を逃れることをはじめ、各所にさまざまな工夫を施してあります。このようにしてそれまでの地震計の性能をはるか上回るものとなり、地震波の中のP波・S波・L波というさまざまな相がはっきりと識別できるようになりました。また、地球の反対側からの地震波もとらえられるようになって、地球内部の構造がわかるようになってきました。
ヴィーヘルトが最初に作った水平動地震計は振り子の質量が1tもあるものですが、このヴィーヘルト式地震計は、振り子の質量が200kgの小型のもので、日本全国の気象台・測候所の地震観測で主力の地震計として使われました。