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田中館式地震計

 物理学者の田中館愛橘(1856〜1952)が1900 年頃に作った地震計。田中館式大震計ともいいます。水平動用には円柱の重りにリンク機構を組み合わせたワットの平行運動装置による振り子を、また上下動用には中央の重りを支えた腕の左右にある支点の軸に渦巻バネ(ゼンマイ)を仕組んだ振り子を使います。このように地震計の中では珍しい機構を備えています。倍率は等倍で、この一台で水平動と上下動の計3成分を記録します。記録方式は煤書きで、幅の広い記録紙をゼンマイの動力で送ります。また、そのギア装置に倒立振り子を組みこみ、これを振らせることで送りの速さを調節しています。