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ユーイング−グレイの円盤式地震計(復元模型)

初めのころの地震計です(※)。地面の東西・南北の水平方向の動きと・上下方向の動きのあわせて3成分を煤をつけたガラス円盤の上に記録します。水平動にはユーイングが地震計用に改良した水平振り子を、上下動にはグレイの考えた上下動振り子をユーイングが改良したものを使っています。ガラス円盤に記録をとるという方法では、円盤が何周もすると記録の線が前のところと重なって読めなくなります。そこで、ふだんは装置を止めておき、地面が揺れ出したときに止め金が外れて円盤が回り出すようにしていました。これでは、大切な地震動のはじめのところが記録から落ちてしまいます。やがて、この欠点をなくすよう、ドラムに常に連続して記録する方式の地震計がつくられることになります。

※ユーイングは1880年にはじめて地震動の連続記録をとった。そのとき使われたのが水平動2成分の円盤式地震計である。それに上下動を加えてこのような3成分の地震計となったのは、1884年頃のことのようである。