前に戻る

円盤式地震記録

 ガラス板のままで残っている(※)この珍しい円盤式の煤書き記録は1894(明治27)年6月20日の午後に東京湾の下でおき東京と横浜にかなりの被害をもたらした地震を本郷の工科大学(現東京大学工学部)の地下室でとらえたものです。この記録をとった地震計は、上下動振り子のついていない水平動2成分用のユーイング円盤式地震計と思われます。ガラスの円盤に記録する方式は扱いにくいので、やがてドラムに巻いた紙に記録するようになりました。ただ、煤書き方式は針先の抵抗が小さい上に細い線が書けるという利点がり、かなり後まで使われました。

※地震の記録がとれると、煤書き面をニスで固定してから青写真に複写した。ガラス板はくりかえし使ったものと思われる。