オニヤブソテツ類の繁殖戦略と種分化

トップ基本的4型4型の分布形態的特徴生殖システム無融合性複合体のゲノム分析種分化

オニヤブソテツ類の基本的4型

オニヤブソテツ Cyrtomium falcatum(L.f.)Pr. はオシダ科ヤブソテツ属の一種で、東アジアに広く分布しています。日本では北海道南部以南の海岸から内陸にかけての多様な環境に普通に見られ可塑性の大きな種とされてきました。染色体数と胞子嚢中の胞子数で判定できる倍数体や生殖型にも変異が知られてきたので日本列島で細胞地理学的解析をしました。その結果、2倍体有性生殖で矮小形型(A1)、2倍体有性生殖型で正常型(A2)、3倍体無配生殖型(B)、4倍体有性生殖型(C)を基本的4型として認めました。

  生育環境 減数分裂の染色体数(n) 胞子嚢中の胞子数
A1型
海蝕崖

n=41 2倍体有性生殖

64個
A2型
海岸林床

n=41 2倍体有性生殖

64個
B型
海岸林縁

n=123 3倍体無配生殖

32個
C型
低山地林床

n=82 4倍体有性生殖

64個
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