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独立行政法人国立科学博物館筑波実験植物園(園長:加藤 雅啓)で、
リュウゼツランの仲間:サケリュウゼツ(リュウゼツラン科)が
開花していますのでお知らせ致します。
このサケリュウゼツは、筑波実験植物園で1986年から栽培されてきたもので、
芽生えてから少なくとも30年以上は経過しているものです。


当植物園において、この種の開花は開園以来初めてであり、
6月下旬までご覧になれます。

 
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 リュウゼツラン(Agave)はリュウゼツラン科に属する植物群で、アメリカ大陸に 分布しています。
約100種、研究者によっては300種あるとされていますが、 そのうち15種が筑波実験植物園に植栽されています。 この仲間は開花するまでに芽生えてから40年、長いものでは100年かかる といわれ、「センチュリープランツ(1世紀の植物)」という英語名がつけら れていますが、10年から20年で咲くともいわれています。この仲間の花茎は 自生地では8m、時には16mにも達しますが、こんなに大きくても一度開花す るとタケのように枯れてしまいます。リュウゼツランの名前は葉の形を龍の舌に たとえたもので、属名のAgaveにはギリシア神話にちなみ「壮麗な」「高貴な」 という意味があります。

 現在植物園では、リュウゼツランの仲間である「サケリュウゼツ」が4mほ どの花茎を立ち上げて開花しています。別種のリュウゼツランもサバンナ温 室とその周辺で3種ほどがつぼみをつけており、引き続き開花が見られそうです。


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【写真1 サケリュウゼツ 08年2月】
とげのある多肉質の長い葉が放射状についた株の中心から、サケリュウゼツの花茎が伸び始めました。
【写真2 サケリュウゼツ 08年5月】
サケリュウゼツの花茎からつぼみのかたまりが姿を現しました。
【写真3 サケリュウゼツ 08年6月】
サケリュウゼツの花が咲き始めました。クリーム色の花被片から、長いおしべが上向きに飛び出しています。花からは滴り落ちるほどの多量の蜜を分泌し、鳥によって花粉が運ばれていると思われます。

2008年6月29日のリュウゼツランの様子は こちらです