星座を作る星(恒星)は昔から、その位置が変化しないと思われていました。しかし、恒星も長い間にはその位置が変わることを発見したのは、ハレー彗星にその名がつけられているイギリスのエドモンド・ハレーで1718年のことです。
第2代グリニジ天文台長だったハレーは当時天文台で測定した恒星の位置と、ずっと昔の紀元前150年ギリシャの天文学者ヒッパルコスが測定した恒星の位置を比べて、いくつかの恒星の位置が変化していることを発見したのです。昔に比べてシリウス(おおいぬ座)の位置が南に約0.5度(太陽や月の大きさとほぼ等しい)、アークツルス(うしかい座)も南に約1度、アルデバラン(おうし座)も南東に少し動いていたのです。この、恒星がそれぞれかってな方向に動いている、という発見は固有運動の発見とよばれます。
このように、すべての恒星は固有運動をもっていますが、恒星はたいへん遠くにあるので、数年や数十年ではその位置はほとんど変化しません。しかし、何万年とか何十万年もたつと、恒星の位置は大きく変わり、星座の形もまるっきり変わってしまいます。
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